『ターミナル』感想|空港に取り残された男。

評価

3.2 / 5

 

目次

 

STORY

クラコウジア人のビクター・ナボルスキーは、ニューヨークにあるケネディ空港に来ていた。しかし、訳がわからないまま空港で足止めをくらう。その頃、母国クラコウジアでは、クーデターが起こりクラコウジア政府が消滅してしまっていた。

その影響を受け、ビクターは母国に帰れないまま、ニューヨークの地を踏むことすらできなかった。

 

レビュー

色々な人から「すごいよ!」「面白いよ!」と言われていた『ターミナル』をついに見ました。そもそも「何がすごいの?」って感じだったんですけど、やっと意味が理解できました。ボクはこの作品のあらすじを含め何も知らなかったんです。なので、パッケージの表紙からてっきり「悲しいストーリーなのかな?」と思っていました。

でも、蓋を開けてみれば、もうぜんっぜん違う!めちゃくちゃハートフルな優しいホームドラマじゃないですか!しかもストーリーが思ってた以上に斬新でした。

 

斬新な題材

母国にも帰れない、ニューヨークにも入国できない。そんな設定を見事にうまく表現しています。全然違和感を感じないんですよね。すごくリアルにその状態を作っていました。

というか、この設定ってモデルになった人物がいたんですね。「マーハン・カリミ・ナセリ」という方をモデルにして製作したみたいです。でも、この人の場合はもっと複雑で計18年間も空港で生活していたんです。詳しくはWikiをご覧ください。

 

バッドエンド? ハッピーエンド?

この作品、斬新な設定はよかったんですけど、総合的にはとても残念でした。

まず、アメリアとの関係性です。途中までうまくいっていたのに、急にビクターのことを裏切って不倫相手の元へ戻ります。そもそもこの映画に恋愛要素が必要なのか疑問ですが、そのことは置いておきましょう。

アメリアはビクターを入国されるための捨て駒としてのキャラクターになっているのがすごくもったいないです。

ビクターもアメリアも序盤で不幸なキャラクターとして描いています。だからこそ、幸せになるような結末にして欲しかったです。

勘違いしないで欲しいんですが、ボクはバッドエンドの作品がダメだと言っているわけではありません。

 

バットエンドの素晴らしいところは、作品がよりリアルに感じることだと思います。

『ミスト』や『秒速5センチメートル』だって、ストーリーはさほどリアルではありませんが、人物の行動や言葉にとてもリアリティを感じられます。これは、キャラクターの心理描写とストーリーのラストがマッチしているからです。そして、強引に幸せにしないからこそ現実のようなリアリティを感じられます。

でも、この作品はそもそもバッドエンドではありません。ビクターは最後のサインを缶に入れることができました。それ自体はハッピーエンドなのです。

ただ、アメリアとの関係性だけがバッドエンドなのです。でも、そこにリアリティを一切感じません。ただ、捨て駒にしただけです。これでは、バッドエンドの良さすら出せていません。

 

ガバガバな設定

この作品は、テキトーな要素がとにかく多かったです。一つ目は、ビクターの英語習得スピードが異常に早い点です。最初は日本人の中学生並みの英語力だったビクターが、すぐにある程度の英語を喋れるようになっています。

最初は何も理解できていない素振りだったにも関わらずです。しかも、空港という国際的な仕事をしている人たちが、誰一人クラコウジアの言葉をわからないなてありえないでしょう。クラコウジアの隣国から来たミラドラゴビッチの時もそうです。

それで国際関係の仕事が務まるのか気になります。

しかも、極めつけはラストシーンですよ。ビクターは三人の処遇で脅されていたのに、グプタが国に帰ると言っただけでニューヨークへ行くことを決意します。
他の二人のことはどうでもよかったの…?

 

そしてラストシーンでもう一つ気になったのが、ディクソンの部下であるレイ(警備員)が、なぜか最後に味方になったことです。そんな素振りを物語中で一切出してなかったのに、急に味方にられても意味不明です。

しかも、逃した後になぜかディクソンには忠実なふりをします。監視カメラで見られていたのも知っていたでしょう。本当に謎が深まるばかりですよ。

 

最後に

すごく斬新な設定が面白く、ボク的にはすごく楽しめました。でも、やはりストーリーのリアリティは気になりました。もう少しストーリーを固めてもよかった気がします。

 

トム・ハンクスとスティーブン・スピルバーグがタッグを組んだ『ペンタゴン・ペーパーズ』の感想記事はこちら↓

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